はじめに
皆さん、「受動態」を見たことがあるでしょうか。きっと、英文法の教科書には必ず乗っていると思います。受け身という風に書かれている場合もあるでしょう。
字だけ見れば少しだけ難しい雰囲気がしますが、普通の文との違いは主語が動作を「する」のか「される」のかという違いだけなのです。今回は受動態とはいったい何なのか、その使い方から意味まで詳しく解説していきます。
要点だけ抑えたい方は各章の最後にあるPointを読んでみてください。
受動態の基本
受動態と能動態
英語の文の種類には能動態と受動態があります。
受動態とはわかりやすく言えば
- 「主語」が「動作」をされると訳す文
のことです。
例えば、
He wrote this book(かれはこの本を書いた)
この文章はいたって通常の文章です。
He(主語)がthis book(目的語)を書いたという形になっています。この様に、主語が目的語に~するという構成の文章のことを能動態と言います。
反対に受動態は
This book was written by him(この本は彼によって書かれた)
受動態の文章ではThis book(主語)は him(彼)に書かれたという形になっています。
このように:主語が~されるという構成の文章のことを受動態と言います。
受動態はなぜ存在するのか
能動態のHe wrote this book
受動態のThis book was written by him
正直どちらもあまり意味は違いません。
ではなぜ、受動態が存在するのでしょうか。
その理由は「強調」するためです。
英語では重要なことは文章の前のほうに持ってくる傾向があります。つまり、上記の二つの文章の意味はほとんど同じでも厳密には伝えたいポイントが違うというわけです。
能動態のHe wrote this bookの中で重要な部分は「He」です。
「彼が」本を書いたと言いたいのです。
一方、受動態のThis book was written by himの中で重要な部分は「This book」です。
「この本は」彼によって書かれたと言っているのです。
Point1
「主語」が「動作」をする=能動態
「主語」が「動作」をされる=受動態
受動態は目的語を強調するためにそれを主語にした形
受動態の作り方
次に受動態の作り方を解説していきます。
受動態の肯定文
受動態の基本の形は
・主語+be動詞+動詞の過去分詞形
です。
例文)
- The dinner was eaten
- The message was sent by Tom
- He was called by his mother
なお、主語と時制によって使用するbe動詞は変化します。
受動態の否定文
受動態の否定文の作り方はbe動詞にnotを付けるだけです。
例文)
- The dinner was not eaten 2 hours ago
- The message was not sent by Tom
- He was not called by his mother
受動態の疑問文
受動態の疑問文の作り方は基本的にはbe動詞の文と同じでbe動詞を抜き取って文の先頭にくっつけるだけです。5W1Hを使った疑問文の場合でもbe動詞を先頭にもっていきbe動詞の前に5W1Hをくっつけるだけです。
Yes-Noで解答できる疑問文
例文)
- The dinner was eaten→Was the dinner eaten 2 hours ago?
- The message was sent by Tom→Was the message sent by Tom?
- He was called by his mother→Was he called by his mother?
5W1Hの疑問文
例文)
- The dinner was eaten 2 hours ago→What was eaten 2 hours ago?
- The message was sent by Tom→What was sent by Tom?
- He was called by his mother→Who was he called by?
Point2
受動態の肯定文
主語+be動詞+動詞の過去分詞形
受動態の否定文
主語+be動詞+not+動詞の過去分詞形
受動態の疑問文
be動詞+主語+動詞の過去分詞形
受動態を使った構文
ここまで受動態の意味と作り方を見てきました。次は文型ごとにどのように受動態を作るのか見ていきましょう。
ところで、皆さんは英語には5つの文型があることはご存じだと思います。文型に関してもう少し詳しく知りたい、復習したいという方はこちらの記事を読んでみてください。
上記で言ったように受動態は能動態における目的語を主語として先頭に置いています。そのため、目的語がない第1文型(SV)と第2文型(SVC)を受動態に変形することは出来ません。ここで重要なポイントはその文章内の目的語の数だけ文章が作れるということです。各文型ごとに確認していきましょう。
SVO(第3文型)
SVOの文章では目的語(O)は一つです。
そのため、受動態のパターンは1つだけです
例)
He wrote the book.
☟
The book was written by him
SVOO(第4文型)
SVOOの文章には目的語が二つあります。そのため2つのパターンの受動態を作ることが出来ます。
分かりやすくするために二つの目的語をO₁O₂と区別します。
例文)
I gave her(O₁)a present (O₂)
☟
パターン1:O₁が主語になる場
She was given a present(by me)
彼女はプレゼントを与えられた
パターン2:O₂が主語になる場合
A present was given to her
プレゼントは彼女に与えられた
注意点はO₂が主語になる場合は前置詞が必要になるという点です。
SVOC(第5文型)
SVOCの文章では目的語は1つのため、パターンは1つだけです。
例)
I call my dog Tom
☟
〇My dog is called Tom
×Tom is called my dog
まとめ
いかがだったでしょうか?
受動態は日本語に翻訳すると不自然な場合多いですが、英文内だと割と頻繁に出てきます。これをマスターすることで自然な英語の理解を目指しましょう。
コメント